『クマのプーさんの哲学』

クマのプーさんの哲学』

 1996年初版。著者はジョン・T・ウィリアムズ。一年以内に第4版まで出版されているのでベストセラーと表現しても良さそう。読もうと思ったきっかけは哲学を体系的に俯瞰して広く浅く学べると思ったから、と、単に書名がユニークで心惹かれたからです。内容としてはギリシャ哲学から近代哲学までを『クマのプーさん』シリーズの物語に登場するプーやコブタなどのキャラクターを通して紹介しています。読了しましたが、あまり満足感はなかったです。というのも、この本にはプーがいかに素晴らしい哲学者であるかということのこじつけを含めたユーモアめいた解説が載っているからであり、そのため哲学入門者が知りたがっている体系についての内容は薄いからです。むしろ、哲学を少しかじっている人には面白おかしく読める内容でしょう。

 これを読んだのはちょうど三週間前だったにも関わらず、得た知見をいざ書き起こそうとしても内容を思い出せません。すんなり覚えられるのならばこの備忘録は必要ないわけでして。読んだらその日のうちに知見をまとめておくのが吉というのは間違いありません。

ソクラテス 『無知の知

アリストテレス 『排中律の原理』『四原因説』

ライプニッツ 『充足理由律』『矛盾律

・カント『人が世界を認識するのは空間・時間・因果関係だけ』『人が認識するもの(現象)と物自体(本体)』『定言命法(同時に普遍的法則となることを君が欲することができるような格率、そうした格率だけに従って行動せよ)』『アラスデーア・マッキンタイア「定言命法をためすのは論理的にむなしい」(西洋倫理思想史)』

ヘーゲル 精神哲学 『弁証法的観念論』『主観的精神・客観的精神・絶対的精神』『テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼ

ニーチェ 『最高のものはすべて自己原因』「散歩によって得られた思想にのみ価値がある」「文化と国家は敵対する」

サルトル 『「地獄とは他人だ」(『出口なし』より)』『本物の欠如の例 現実からの逃避と個人的責任からの逃避』