アンリ・ベルクソン 『思考と動き』

アンリ・ベルクソン。フランスの哲学者。19-20世紀。持続、イマージュの概念を提唱。

 

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哲学に一番欠けているのは正確さである。→現実の寸法に合っていない。大きすぎる体系のためすべての可能なもの・不可能なものすら含んでしまっている。結果として、科学的な説明、即ち増大する明証性を備えているとは言えない。

・哲学は現実に合致した説明を持たないという筆者の主張。

 

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・スペンサーの哲学は増大する明証性を持っていると思ったけど持っていなかったよと、持ち上げて落としている。ベルクソンが時間の概念を考察するに至った経緯の説明。

あらゆる測定行為にも規約的な要素が入り込む。→2量が相互に直接比較されることはないが、ある側面・結果は比較可能。しかし、時間の場合、比較に背理を含んでいる。その背理とは、比較した持続の結果が本質的に持続しないことである。

・比較する際に、時間から本質・要素が抜け落ちて変性してしまっている。

時間の操作は、対象のある側面・結果に対してなされるのではなく、測定しようとするものを排除する何かに対してなされる。

時間の測定は、持続するものとしての時間(真の時間)に対してなされるのではなく、時間の潜在的な停止の数が数えられている。→意識にとって深刻な違いを生む。

・時間は金太郎飴のように持続している。しかし、測定においては飴を裁断してそれを比較してしまっている? 持続と連続を別の概念として明確に分けている印象。

・いまの科学では時間と意識とを正しく結んで明かすことが出来ないと筆者は主張している?